治療という真剣勝負の中で、
これがあると失敗する、というものがあります。
先入観。
患者さまと問診をしている中で、
あ、この方にはこの処方が効きそうだと、途中から感じられることがあります。
それは確かに正解のこともあるのだけれど、
途中から生まれたその先入観に引っ張られることで、治療が混乱していくることもまたあるのです。
それしか見えなくなる。
この状態が最もこわい。
先入観に引っ張られ、なかなか効き目を感じてもらえない、
あれおかしいな、効いてこないな、この処方で良くなるはずなのにな、
そう感じた時は、必ず何らかの先入観によって、患者さまが見えなくなっています。
自分が感じていたことに背を向けて、もう一度フラットに患者さまを観る。
自分の考えに自信を持ちつつも、いつでもそれを否定する用意をしておくこと。
この感覚が、治療にはとても大切だと思います。
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