省みる

2020年06月04日

漢方坂本コラム

治療の難しさを痛感している。

適切な治療法を紐解き、的確な処方をお出しする。

それだけで治療が終わるのであれば、これほど簡単なことはない、と思う。

治療はそれだけでは決して終わらない。改善へと導くことは出来ない。

マラソンのような、「道のり」の中で進んでいくのが治療であり、

その道のりには、様々な要素が複雑に絡んでくるからである。

一時症状が良くなったとしても、体調はさまざまなことで変化する。

天気・ストレス・食事・睡眠、これらで症状は大きく波打つし、

時には患者さまの不安や焦りが、大きな壁となって治療の道のりを塞ぐこともある。

人は一日として同じ体調ではない。毎日毎日、かならず変化する。

その変化を見越して先手を打てるかどうか。

先の未来をどれだけ的確に想像できるかどうか。

あの時、あれをお伝えしておけばよかった。

あの時、あれはまだ言うべきではなかった。

今までどれだけ痛感してきたか。

なのに、まだまだ力不足である。

治療は「道のり」であるということを、

何度も何度も、自分に刷り込まなければならない。

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

※当店は漢方相談・漢方薬販売を行う薬局であり、病院・診療所ではございません。コラムにおいて「治療・漢方治療・改善」といった言葉を使用しておりますが、漢方医学を説明するための便宜上の使用であることを補足させていただきます。