治療の難しさを痛感している。
適切な治療法を紐解き、的確な処方をお出しする。
それだけで治療が終わるのであれば、これほど簡単なことはない、と思う。
治療はそれだけでは決して終わらない。改善へと導くことは出来ない。
マラソンのような、「道のり」の中で進んでいくのが治療であり、
その道のりには、様々な要素が複雑に絡んでくるからである。
一時症状が良くなったとしても、体調はさまざまなことで変化する。
天気・ストレス・食事・睡眠、これらで症状は大きく波打つし、
時には患者さまの不安や焦りが、大きな壁となって治療の道のりを塞ぐこともある。
人は一日として同じ体調ではない。毎日毎日、かならず変化する。
その変化を見越して先手を打てるかどうか。
先の未来をどれだけ的確に想像できるかどうか。
あの時、あれをお伝えしておけばよかった。
あの時、あれはまだ言うべきではなかった。
今までどれだけ痛感してきたか。
なのに、まだまだ力不足である。
治療は「道のり」であるということを、
何度も何度も、自分に刷り込まなければならない。