とても恐縮なことではありますが、
時々患者さまや医療関係者の方から、当薬局のHPを褒めてもらえることがあります。
詳しく書いてくれていて助かります、と。
医学の中でも正しさを求めることが特に難しい漢方の世界。
その中で、なるべく素直に伝えていきたいという想いが、もともとありました。
だから、そう言っていただけることがとても嬉しく。
様々な方たちに、役立てていただけている。
感謝しかありません。とても有難いです。
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もともと私は、漢方をどう勉強したら良いか分かりませんでした。
父に聴くのも癪だし。本屋に行ってもいまいちパッとしないし。
漢方を勉強しようと志した直後のことです。
まだ大学生のころかな。ネットで調べても、通り一辺倒の事しか書かれていませんでした。
だから、情報をどう得て良いのか分からなかった。
当時の私には、結構切実な悩みでした。
本を片っ端から呼んだ記憶があります。
そして、運良くたくさんの先生方と知り合うことができました。
そうやって、時間をかけて、本当に少しずつ、
漢方の世界を身につけてきたのですが、
もし当時に、もう少し手軽に漢方の世界を知れるものがあっても良かったのにな、と。
だから私は、誰でも見ることのできる辞書を作ろうと思いました。
手軽に見れて、漢方の世界に触れられる辞書です。
なるべく率直に、ありのままに。私が知り得た情報や漢方の世界観をそのまま表現した辞書。
そうやって作ったのが、このHPです。
患者さまや学生さん、医療関係者の方々など、漢方にご興味のある全ての方に、
見てもらえる情報源を作るというのが、このHPの本来の目的です。
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学生さんたちとお話する機会があまり無いため、
このHPを、漢方を志す方たちがご覧になられているかどうかは分かりません。
でも当時の私のように、どうやって漢方の勉強をしたら良いのか分からないという方は、きっと多いと思います。
是非あきらめずに、探し続けて欲しいです。
そうすればいつか、漢方の世界が向こうから自分に近寄ってきてくれます。
そもそも漢方は、稚拙な側面が多い医学です。
その一つが教育。
日本に昔から伝わる医学のくせに、その成熟度が未だに低いと言わざると得ません。
それでも昔は活気ある勉強会がたくさんありました。
でも残念ながら、今ではその数が少なくなりました。
漢方の世界を俯瞰して見た時に、教育に関しては生薬資源と同じくらい心配になります。
流行る必要は無いが、無くなってはいけない医学。
漢方はそういう医学であり、文化でなければいけません。
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たまに尋ねられることがあります。
どのように勉強してきたのですかと。
本をたくさん読みました。そしてとにかく、人とたくさん合いました。
漢方の本ばかりではなく、東洋医学に関わる人だけでもなく。
私が地元を離れて良かったなと思えるのは、
地元にいたら出会えなかった様々な考え方に触れることができたからです。
そして、それはなるべく新鮮な方が良い。
新鮮というのは、新しいという意味ではありません。
今、まさにそう感じているという、本気の考え方に触れた方が良い。
それが正しいとか、間違えているとかではなく、
熱を帯びた新鮮な考え方に、たくさん触れた方が良いと思います。
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たまに尋ねられることがあります。
どこか良い勉強会はないですかと。
あります。
新鮮で、熱を帯びた勉強会が。
数は少なくなりましたが、そんな勉強会が今も尚存在することが、
私は嬉しいし、同時にすごいと思うのです。
なぜ新鮮なのか。
その人を知る私には分かります。
それは教育者が常に、
新鮮さに、貪欲だからです。
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