「神は細部に宿る」。

「真実は細部に宿る」とも言われるこの言葉。昔からカッコいいと思っていたのでいつかドヤ顔で使いたいと思っていたところ、近年とみにそう思う機会が多くなってきたのでここぞとばかりに使います。漢方処方は細部にこそ真実が宿っています。

どういうことかというと、患者さまとの治療の中である程度の自信をもって使用していたにもかかわらず「あれ効かないぞ」とか「何故だ、うまくいかない」と思う時、結局その活路は生薬一味の違いにあったりする。なるほどこうやって漢方の先生方はコツを掴んでいくんだなと妙に納得している所です。

思えば歴代の漢方家は最終的に必ず本草書(単味生薬の解説書)に手を出す。吉益東洞の『薬徴(やくちょう)』しかり。漢方処方はその構成こそが大切だし諸々の構成生薬の相互関係によって薬能を発揮していることに疑いはない。しかし時にその構成さえも凌駕するほどの薬能を一味が発揮するということもまた事実。一つ一つの生薬の薬能を知ることこそが掌上に把握することに繋がるのだなとここまでは納得したのですが未だに謎は尽きません。

膨大な数の生薬が用意されている漢方。いったい生きている内にどこまで理解することが出来るのかしらん。だからこそ一生の生業として相応しいと感じるのは私だけではないはず。一味の妙を発見した時の、その感動たるや。そりゃあ歴代の漢方家も本を書きたくなるよなと。