銀歯が取れてみて

2021年01月16日

漢方坂本コラム

最近、歯の治療に通っている。

40を過ぎ、人生後半がスタートした今日この頃の私、今まで人間ドックは定期的に受けてきたけれども歯に関しては少々蔑(ないがし)ろにしているなという自覚がありました。

そんな折、先日歯間フロスを使用中に銀歯が抜け飛びました。そしてちゃんとメンテナンスしないとなと一念発起したわけです。はっきり言って歯科領域は漢方治療の範疇外で自分でどうこう出来る問題ではないと思っています。だからいつかちゃんと診てもらわなきゃなぁと思っていた所でちょうど良く銀歯がとれました。そこで前から一度かかってみたいと思っていた歯医者さんに取れた銀歯を握りしめてかかることにしました。

結論から言うと重い腰を上げて本当に良かったです。現在まだ治療中ですが歯が綺麗になっていく以上の感動を私は受けております。はっきりとした根拠と完全に見える化された診断。歯の治療って今ではこんなことになっているのかぁ・・と、日進月歩とは言うけれどほんとにそうでした。そして自分の歯の現状を目の当たりにして「こりゃ自己判断は無理だ」と反省いたしました。

私の歯、もう銀歯が抜けたとかそういう問題ではなく。思った以上にガタガタでいたる所に治療を必要とする箇所がありました。この際全部やっちまおうと。腹をくくったわけです。治療後のメンテナンスも続けていくつもりで、これからも末永くお付き合いさせていただこうと思っています。

腹をくくれたワケをよくよく考えてみました。そこで出た結論は「納得」の一言に尽きます。治療を受ける側の立場になってみて改めてそう感じました。納得できる治療にはある種の「当然さ」があります。そして治療を受ける側に「そりゃそうだよね」と腑に落ちる感覚があります。そんな時にこそ安定した心持ちで治療を続けられるのだと、改めて認識した次第です。

しかも納得って難しい言葉や理屈ではなくもっと単純なものを拠り所にしているなと。逆にシンプルであるほど深く納得できるのだとも実感いたしました。「納得はすべてに優先するぜっ」と叫んだのは確かジャイロ・ツェペリだったかしら(←ジョジョの)。その通り。確かに良い治療のスタートには「納得」が優先されてしかるべきであります。

日常的に治療者であるからこそ治療を受ける立場に定期的に立ってみるべきだなと。重かった腰への反省と抜け飛んだ銀歯への感謝。これからも再認識を続けていきたいと思う冬、たまに無性に書きたくなる店主の日常でした。

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

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