昨日の出来事。
ある患者さまがご来局されました。
以前、病院では問題ないよと説明された症状、
しかしながら、昔からずっと気になっていた症状のご相談でした。
詳しくお体の様子を伺うと、確かに改善するべき要所が見て取れました。
ただしそれは、決して薬で治療すれば良いという問題ではありませんでした。
生活の中に、明らかに改善するべき点がある、それを直せば、自ずと症状が緩和されていく可能性が高かったのです。
私はそのことをご説明しました。患者さまにもご納得して頂けたと思います。
終始うんうんと頷きながら話を聞いてくれた患者さまは、
最後に「こんな相談をするような人もいますか」と、少し恥ずかしそうにご質問されました。
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大丈夫ですよ。
たくさんおられます。
お薬が必要なのかどうか、私はいつも必ずそこからご説明しています。
薬ではなく、養生だけで改善していく方もたくさんいらっしゃる。
患者さまと向き合っていると、そういう現実もたくさん、たくさん経験するのです。
症状や病の軽重に関わらず、漢方薬にはそれを必要とするタイミングみたいなものがあって、
例えばそれは、養生より先に薬が必要になる場合もある。しかし、養生と同時、もしくは養生の方が先ということもたくさんあるのです。
漢方薬を服用することだけが漢方治療ではないと、私は思います。
きれいごとかも知れません。でもそれが現実だから仕方ありません。
薬だけで治そうとるすのは半人前。
私は以前、そういう教えを受けました。そして今は、臨床を通してそれが「正しい」と断言することが出来ます。
・
たかが養生。されど、養生。
自分が本当にするべき養生を見つけることは、とても難しいことです。
がんばってくれるかな。とても大変なことだと思います。
今まで当たり前のようにやってきたこと、それをあえて意識しながら生活しなければなりません。
でも、意識できるようになったら、それだけでも違うと思います。
ゆっくりでもいい。一つ一つ変化させてみて欲しい。
養生の本質はまずトライしてみること。
そしてそれが正しいかどうかを、自分自身で感じてみることです。
もしそれでも上手くいかなかったら、是非もう一度、ご来局を。
漢方薬の服用を含めた、様々な角度から次の一手を検討させてください。