私はどちからというと、
治療者の中でも養生の指導を積極的に行う方かも知れません。
養生と一口に言っても、
睡眠なのか、運動なのか、食事なのか、
各患者さまによって重視するべきものが違います。
病を見極めた上で、患者さまに合った養生を探し出していく。
的確な養生を探し出すということが、
処方を決定するのと同じくらい、改善へと向かうためには大切だと、経験上分かってきたからです。
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ただ、養生を指導するというのは、
端的に言えば患者さまに生活を変えてもらう、ということです。
人はそれぞれ置かれている環境が違います。
患者さまの生活はそういう自分がコントロールすることの出来ない環境の中で、
どうにかバランスを保ちながら出来上がっていたものです。
それを変える、ということは、本当に大変なことだと思います。
生活に流されないようにする。
川の流れに逆らうような、そういう努力と毎日毎日向き合わなければなりません。
しかも指導する養生は、時に患者さまがしたいと思っていることとは真逆だったりします。
これ以上痩せたくない。とにかく食べれるようになりたいし、食べたい。
しかし今はお腹いっぱいまで食べてはならない。そう指導せざるを得ない時もあります。
また仕事や勉強を何とか頑張りたい。寝る間も惜しいくらい、どうしても頑張りたい。
しかし今は寝なければならない。そう指導せざるを得ない時もあります。
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様々な苦しみを伴う養生。
にもかかわらず、当薬局におかかりになっている患者さまたちは、本当に頑張ってくれています。
頭で理解していても、それを行動に起こすことは難しい。
しかし皆さんは本当に頑張って、その困難に向き合ってくれています。
かならず良くなります。
そして良くなれば、今度はそれは努力ではなくなります。
その生活が当たり前になり、努力するまでもなく、自然とそう出来るようになっていきます。
そういえば、あの時はそんな生活してたよね私。
そう言える時が必ず来るはずです。
励ましではありません。今まで私が見てきた真実です。
こうしていると調子よい、これをすると調子悪くなる、そういう実感を伴える養生が見つかったならば、
そしたらもう、それを守り続ければ、必ず良くなります。
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今のあなたに、未来のあなたを、会わせてあげたいです。
今のあなたにきっとこう言ってくれます。がんばってくれてありがとう、と。
あなたの努力に、誰よりも深く感謝してくれるはず。
なぜならば、未来のあたなを救ってくれる人、それは今のあなただから。
私が大好きなこの言葉は、ただただ真実です。