◇養生の実際・夏バテ対策編1 ~はじめに~

2020年06月24日

漢方坂本コラム

夏を乗り切れるだろうか、

そんな危惧を持たれた患者さまからコラムのリクエストを頂きました。

猛暑を乗り切るための心構えのようなもの、

これを是非コラムに書いて欲しいとのお願いです。

確かに。

確かに私自身も、今年は「夏バテ」の方が増えるのではないかと危惧しています。

その理由は今にあります。つまり梅雨。

実は、夏バテを起こす体は、梅雨の時期に形成されるのです。

今年の梅雨は体への負担がとても大きいと感じています。

すでに体調を悪くされている方が多い。気温や気圧の急激過ぎる変化が原因です。

だから今から気をつけることが大切です。

でも、何に気を付ければ良いのでしょうか。

本当はちゃんとした文章で丁寧に説明した方が良いと思うのですが、

患者さまからのリクエストになるべく早く答えるべく、

コラムにて端的にお伝えしていこうと思います。

題して、「養生の実際・夏バテ対策編」。

たくさんの情報が巷には溢れておりますが、

どんなに対策しても、これが出来ていないとバテますよというもの。

私が夏バテ治療を行ってきた経験の中で、

誰にでも共通して気をつけて頂かなければならないこと。

そういう核となる話をしていけたらなと思っております。

まずは「夏バテ」にて起こる症状をあげておきます。

夏にこういう症状が出やすいよという方は、

今回から解説していくコラムを是非参考にしてみてください。

〇疲労倦怠感

だるさや脱力感など、夏バテではこのような強力な疲労感が発生します。そして特徴的なのが一時的なものでは済まないということ。寝ても休んでも疲れが取れない。とにかく慢性的に継続してしまいます。早い方だと6月の梅雨時から。8月下旬から9月をピークとして、長いと11月ごろまで継続してしまう方もいます。

〇食欲不振

ご飯を食べたいと思わない・肉の匂いをかぐだけで気持ち悪い、夏場にこのような食欲不振を生じていれば、私は完全に夏にバテたなと判断します。夏場に起こる食欲不振にはある特徴があります。そうめんや果物など、水っぽいものしか食べられなくなるということです。胃が疲れて固形物を消化することが出来ないとう状態。これが起こってしまうと、漢方薬の服用など、然るべき対応が必要になります。養生での自力回復が難しくなってしまいますので、このような食欲不振が起こる前から正しい養生を行うことが大切です。

〇熱っぽい

熱っぽいというのは、体温計で測ったら熱が高いということではありません。体温計で測らずとも、もっと自覚的に「体の芯が熱っぽい」とか「体が熱くて暑い場所にいることが耐えられない」とか、そういう体の熱感を伴っただるさを生じることを指しています。この症状は、漢方において夏バテとして治療する上でとても重要な症候になります。例えば補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの疲労回復薬が効かなくなるからです。漢方では夏に起こる病態を暍病(えつびょう)・中暑(ちゅうしょ)・中夏病(ちゅうかびょう)などと分類することで、それに相応しい特別な治療法が用意されています。

さて、これらの症状を起こさないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。

まず知らなければいけないのは「夏バテ」がどうして起こるのか?ということ。

次回から具体的な養生をお話ししていきたいと思います。



◇養生の実際・夏バテ対策編2 ~なぜ夏にバテるのか?胃腸の温存と水分摂取~
◇養生の実際・夏バテ対策編3 ~夏バテは胃腸に始まり胃腸に帰結する~
◇養生の実際・夏バテ対策編4 ~寝ることの意味・睡眠と夏バテ~

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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。

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