漢方坂本/坂本壮一郎@note
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昨今の医療現場では、自律神経失調と診断された場合に漢方薬が使用されることが当たり前になってきました。
薬物治療では抗うつ薬や抗不安薬の使用が基本ですが、軽症のものであったり、患者さんのお求めであったりと、まずは漢方薬にて対応しようというパターンは少なくないのでしょう。
確かに漢方には自律神経失調症に良く効くものがあります。しかし、あまり効いてくれないという印象を持たれている先生も多いと思います。
というのも先生方はもうお気づきのことかと思いますが、漢方薬は気休め程度に使うという感覚では効いてはくれません。
いくら自律神経失調症に適応のある漢方薬であったとしても、それだけの理由で使っても効いてはくれません。
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訴えている症状を並べて、パズルのようにそれに合わせて薬を選択し効いてくれるのであれば簡単なのですが、そういう訳にもいかないのが漢方治療の難しい所です。
では体質に合った漢方薬を選べば良いかと言うと、その考え方も半分正解で半分間違いです。
薬は結局のところ道具ですので、正しく使う必要があります。むしろ正しい使い方さえされていれば、体質にこだわる必要もありません。
則ち「正しい治療方針をもって効かせる使い方をする」というのが正解です。各々の薬には、効かせ方があるということです。
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自律神経失調症に効く漢方薬として代表的なものに柴胡剤があります。
加味逍遙散や柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散や加味帰脾湯など、気を通じる薬としてしばしば気鬱や気逆の病に使われます。
自律神経失調症といえば先ずは柴胡剤を想起される方は多いと思います。しかし自律神経症状を回復させていく上で柴胡剤はそれほど広く治し得る薬ではありません。
むしろ柴胡剤以外にこそ、良い薬(道具)が多い。
そこで今回のnoteでは自律神経失調と聞けば即剤に想定される方剤郡、例えば柴胡剤や竜骨牡蛎剤、また半夏厚朴湯などの蘇葉剤、そういったもの以外で、是非頭に入れておくべき漢方薬と、その効かせ方とをお伝えいたします。
漢方には「博く衆方を采(と)る」という言葉があります。まずは使える薬を増やすことが大切です。
そしてそこから東洋医学では自律神経に対してどのようにアプローチしていくかという理論を組み立てていく。
今回の記事がその一助となって頂ければ幸いです。
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柴胡剤や竜骨牡蛎剤では治らない自律神経失調症への対応方法

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