春の厳しさ・春の訪れと自律神経

2021年02月14日

漢方坂本コラム

厳寒の候。

とはいえ日中は徐々に温かくなってきました。

そういえば立春から10日以上経っているわけで、

暦(こよみ)から言えば確かに春の気配を感じても当然なわけで・・・。

でも、まだまだ寒いですよね、特に朝と夜。

暖房器具はもちろんフル活動。そうしないと、とてもじゃないけど朝起きれません。

この「寒さ」と「温かさ」の「差」こそが今時期の最大の特徴です。

つまり「寒暖差」

「春の厳しさ」の特徴なのです。

朝・夜が寒く、日中は温かい。

何でもないことのように感じますが、これを普通のこととして受け入れられるのは、人間が素晴らしい機能を所持しているからです。

「自律神経」

自分の意志とは関係なく、自動的に、自律して働いてくれるこの神経があるからこそ、

人は寒さと温かさの「差」の中で生活することが出来ています。

寒い場所にいる時と、温かい場所にいる時とでは、

人間の体は大きくその働きを変えています。

寒い場所にいる時には体幹を冷やさないように血流を促し、

温かい場所にいる時には逆に熱をこもらせないように血流を停滞させます。

もし寒い場所においても血流が停滞していれば、人間の体はすぐに冷え切ってしまいますし、

逆に温かい場所において血流が促され過ぎると、人間の体はすぐに体温を上昇させてしまいます。

人間の体温は一定に保たれている必要がありますので、

この働きは人間が生きていくために無くてはならない働きです。

ただこの働き、

人によって、その活動の「俊敏さ」が異なります。

温度変化に対して、迅速かつ正確に対応できる方もいれば、

その一方で、俊敏に対応することの出来ない方も多くいらっしゃいます。

そして俊敏に対応することが出来ないとどうなるのか。

さまざまな不快な症状が出始めてしまいます。

代表的なものをあげてみます。例えば以下のような症状です。

・頭痛
・めまい
・立ちくらみ
・動悸
・息切れ
・だるさ
・ほてり
・下半身の冷え
・イライラ
・不安感
・あせり

などなど。

もともと持病や何らかの症状を持たれている方であれば、

それらの病や症状が悪化し出す、ということもしばしばです。

当薬局におかかりになられている患者さまたちの中には

「最近、調子が悪くなっているけどなんでだろう・・・」と思われている方も多いのではないでしょうか。

このような「寒暖差による自律神経の乱れ」を受けないようにするためにはどうしたら良いのでしょう。

そのためには、そうなのです。

いつも口を酸っぱくして申し上げてしまっていることが大切なのです。

・睡眠不足を避ける
・適度な運動。特に筋肉を衰えさせないこと。
・適切な食事の食べ方。そして内容。

いつもいつも思います。

当たり前のことで申し訳ないと。

しかし、これが真実なのです。

養生に裏技はない。当たり前のことを当たり前に出来ていることが一番大切なのです。

最近なんか調子悪いなぁ・・・と思われている患者さま。

ぜひとも今だからこそ養生を見直してみてください。

ただし無理はしないでくださいね。

意識するだけでも構いません。毎日の積み重ね無くしては、天候という強大な力に打ち勝つ術(すべ)はないのです。



■病名別解説:自律神経失調症

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