漢方坂本/坂本壮一郎@note
noteに以下の記事をアップしました
・
・
・
漢方の基本に則れば、
生薬の作用にはそれぞれ方向性というものがあって、
それを「昇降浮沈」といいます。
薬の作用が体のどの方向にむかっていくのかを示すものです。
例えば紫蘇や薄荷などの葉物は軽く、浮く性質があるので、
体の外へと浮いて昇り、体表面に効果を発揮しやすいという特徴があります。
逆に根や鉱物など重さのあるものは沈む性質があるため、その効果も下へ降りていくものが多い。
例えば石膏や竜骨や牡蛎といった鉱物類は、外皮に湧き出ようとする熱(炎症や興奮)を沈めて落ち着かせる効能があります。
東洋医学特有の形而上的な理屈ですが、
頷ける部分も多い。
生薬の効能を知るための一つのヒントになります。
・
中でも分かりやすいのが、香りの強いものは「昇り・浮く」という性質です。
先に述べた紫蘇や薄荷、また桂枝や川芎など、香りが強い生薬は上へ上へと効果を及ぼす傾向が見て取れます。
飲んで昇って鼻から抜ける香り。
空気にただよい浮き立つ香り。
体に取り入れた香りが、体の中で上へ外へと放たれるその様子は、感覚的にも理解することができます。
漢方ではこのような香りで効果発揮する生薬を気剤と呼びますが、
その上へ外へと速やかに放散する薬能から、特に自律神経の乱れやメンタルの不調、
さらに感染症などの即効性を求められる病で使われることが多いものです。
ただし、香りが命であるこれら気剤の中で、
なぜか昇浮の性質ではなく、「沈降」の性質をもつものがあります。
降気の主剤、厚朴。
気であるにも関わらず、なぜか浮かず、下へと降ちる。
今回はその辺りの謎に、少しだけ迫ってみたいと思います。
・
・
・
【漢薬小冊子】厚朴(こうぼく)

・

漢方坂本/坂本壮一郎|note