この梅雨さいごの悪あがき

2025年07月15日

漢方坂本コラム

梅雨。

はじめこそ心配になる勢いでしたが、

途中、鳴りを潜めた今年の梅雨。

しかし、台風という強い味方を得て、

ここへ来てさいごの悪あがきを始めました。

5月、早めの梅雨が始まり体調を崩される方が一気に増え、

6月、それが穏やかになり症状がやや安定傾向を見せるも、

7月の初旬、同時発生した台風3号・4号を皮切りに、

急激に悪化される方がまた増え始めました。

そして現在、台風5号が過ぎ去った南風の影響で、

関東は断続的な大雨や強風に晒されています。

問い合わせが増えたのは、7月の3日から5日あたり、

そして先週末あたりです。

これらはちょうど、台風が発生した時期と重なっています。

通常、台風が発生しただけの段階では、

自分の地域の天気はそれほど荒れていません。

遠くで台風が発生しただけですので、ニュースを見なければ気が付くこともないでしょう。

しかし不思議と、遠くで台風が発生したと同時に体調を崩される方がいらっしゃるのです。

低気圧の影響と言ってしまえばそうですが、

しかし実際には離れすぎています。

それでも現実にそういう方たちがいる。

台風発生という現象が、いかに強大なエネルギーを内包しているかを思い知らされます。

今年は台風1号の発生が例年に比べて遅かった。

そしてそれを取り戻すかのように、この短い間にどんどん台風が押し寄せてきています。

これからの本格的な夏に向けて、まったく油断ができません。

きっと水害も多いんじゃないかなと。

出来るだけ平和な夏になるよう、祈るばかりです。

今月、体調不良を起こしている方にはある特徴が見受けられます。

急激に気圧が低くなる時と、急激に寒くなる時に、

体調を崩される傾向のある人たちが、

この7月に軒並み体調を崩されているのです。

そして起こっている症状にも特徴があります。

多くの方が、胃の調子悪さを感じておられます。

みぞおちが張って苦しいとか、硬くて動かない感じがするとか。

人によってはその苦しさが背中にまで波及するという方もいます。

そして同時にメンタルも乱れておられる方が多く、

不安や焦り、イライラ、人によって不眠や一つの事が気になって仕方がない神経質さを強めておられます。

いわゆる自律神経の乱れですが、

これが台風による急激な気圧の低下と、今まで暑かったところから気温が下がったことで、

まるで春先のような自律神経失調が誘発されている状態です。

夏にしては珍しい気候です。

急激に暑くなり、夜間まで暑さが続くことで寝苦しくなる。

数週間前までそうでした。そしてそのまま夏に向かうのが普通です。

しかし、台風5号の発生から、また気温がぐっと一段下がりました。

涼しくなって寝やすくなったという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、逆に寒さにやられやすい人は体調が崩れて当然の変化です。

暑くなってから薄着になり始め、クーラーをかけることが当たり前になった時期からの、急激な気温低下。

夜間に体を冷やし、胃腸を冷やしてしまう方が増えてしまうのも当然だと思います。

ただでさえ天候に左右されやい傾向のある方では、

さすがに体が追い付かないという変化です。

対応が難しい所ではありますが、とにかく体を冷やさないように気を付けてください。

寝室の温度をもう一度見直して、室温が下がりすぎないよう注意しましょう。

また脛(すね)を冷やすと胃腸が冷えます。

場合によってはレッグウォーマーを活用しても良いかもしれません。

また夜間に咽を痛めてしまう方も増えてきます。

そこから風邪を引くというのが典型的な夏風邪のパターンです。

とにかく、寝ている最中に寒いと思って起きないような工夫が大切です。

窓の開けっぱなしや、クーラーのつけっぱなしによって、風が体に当たり続けないよう気を付けてください。

夏はある意味で、冬よりも体に冷えが直撃しやすい季節です。

薄着で汗をかいた体へのクーラーの冷気、

果物や冷たい水、氷水の摂取による胃腸への負担。

気を付けていても、どうしてもこれらに晒されてしまうのが夏です。

その中で、今回のような急激な気温低下ですから、

内臓が冷えて調子を悪くさせる方が増えても不思議ではありません。

そしてさらに最悪なのが、これからまた急激に気温が上昇するそうです。

あの方はどうだろう、

あの方は大丈夫かな、、、

何人も思い浮かびます。

あと一か月後にはお盆に入ります。どうか、体調の良い状態でお休みに入って頂きたい。

今、この夏序盤の山場を迎えている心持ちです。



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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。また当店は漢方相談を専門とした薬局であり、病院・診療所とは異なりますことを補足させていただきます。