今日は一風変わった養生のお話をします。
だいぶ変わっています。
だから根も葉もないことに感じるかもしれません。
ただ私としては体の「理」をお話しするつもりです。
養生の基本は食事・睡眠・運動ですが、
それとは別に大切なことがあります。
・
一日に何度か、
「重力」を感じてみてください。
自分の体を重さを、感じてみてください。
生きていればいつも感じているはず。当たり前のことです。
しかしちゃんと意識して感じることは、あまりないでしょう。
だから自分の重さを意識してみてください。
地に、自分がどれだけの力で引っ張られているのかを。
それは、あなたが持つ力です。
あなたが地球と繋がっている、繋がろうとしている力。
生きとし生けるものに与えられた、自分自身の力です。
・
人は病に陥ると、周りが見えなくなります。
自分以外のことを感じにくくなります。
病になると自分自身を感じずにはいられなくなるからです。
だから周りが見えなくなります。
病に伴う不快な症状。病への不安も含めて。
自分自身から発せられるサインを直視せざるを得なくなる。
故に周りを見ている場合ではなくなります。
症状とはそもそも、体が自分に体調を知らせるサインです。
違和感や痛み、痒みや痺れなどは、不快な症状であると同時に健康を維持するために必要な機能です。
症状が発せられるというのは、その機能がちゃんと働いている証拠。
故に自分自身を直視せざるを得ないというのは、ごくごく自然なことでもあります。
ただ、もともと人は自分の周りの刺激に生かされています。
地球が起こす様々な刺激、風や日の光、湿気や気温に至るまで、
それらの刺激が無ければ私たちは生きることができません。
病に陥ると、周りが見えなくなる。
それはこれらの刺激を感じにくくなるということです。
感じてはいるけれども意識することが出来なくなる。
そしてそれは、明らかに健康から離れている状態です。
なぜならば東洋医学でいうところの健康とは、
地球の刺激を認識し、そこに同調することから始まるからです。
・
巨大で安定した活動を維持し続けている地球。
小さな生物と比べれば、桁違いの精度で地球は安定しています。
その安定した活動に同調すること。
それが、自分自身の活動を安定させることに繋がるというのが東洋医学の思想です。
太陽が出たら起きて、太陽が沈めば早く寝る。
寒ければちゃんと暖かくすること。そして暑ければ相応の衣類にすること。
冬には冬の食事があり、夏には夏の食事がある。
言われるまでもなく、ごくごく当たり前のこと。
そしてこれは当たり前である以前に、「地球に身をゆだねろ」という教えです。
四季を感じること。風を感じること。
光と影を感じること。そして重力を感じること。
すべて地球に身をゆだねる時に必要です。
それは地球に守られている実感だからです。
当たり前の刺激を、意識して感じることからそれは始まります。
だから一日に何度か、重力を感じて頂きたいのです。
人は自分の体を手放してしまった方が安定します。
自分に集中するよりも、外の対象に集中している時の方が力が発揮されます。
手放すことは失うことではなく、
より力強く安定するための手段。
人はそもそも、自分のことが気になって仕方がないもの。
そんなものは捨ててしまった方が、本当は強く安定し、美しいのです。
・
一日に何度か、
ぜひ「重力」を感じてみてください。
自分の体を手放して、重さを感じてみてください。
立っている時でも、寝ている時でも、
力を抜いてただ、地球に沈んでみてください。
地球はいつもそうやって私たちを抱き、安定させてくれている。
それを是非、ちゃんと実感していただきたいのです。
自分を手放して、ただ自分の周りに身をゆだねてみること。
それが健康でいるための第一歩であると同時に、
私たちが自由を認識するための第一歩です。
ちっぽけな私たちがたとえ何をしようとも、
巨大な地球が持つ自然の「理」からは逃れることができません。
全てが決められていて、くつがえしようがない。
でもだからこそ、
私たちはそれに支えられ、
かつ、
完全に自由でいられるのです。
・
・
・

漢方坂本/坂本壮一郎|note