猫のしーちゃん

2025年07月25日

漢方坂本コラム

ちょうど一カ月前のこと。

夜、寝ようと思って二階の寝室に行くと、

先に入っていた妻が窓際に立って、

じっと外を見つめていました。

真っ暗の部屋で、まったく動かず立ち尽くしていたので、

少し怖かったです。

聞くと、どうやらおかしな動きをする猫が外にいるようで、

か細い声でニーニー鳴くので、気になって眠れず、ずっと外を見ていたようです。

我が家の周りには地域の野良猫がたくさんいて、

そのうちの一匹でした。前にみたことのある猫です。

その猫が、ずっと砂利の上でゴロゴロしています。

たまに砂の上で遊んでいる猫がいるのでそれかと思いました。

でもちょっと違う。気になって妻と一緒にじっと観察していると、

どうやら立てないようです。

立ってもすってんころりん。コロコロと転がってしまうのです。

白くて毛の長い猫です。

そしてその近くに、兄弟でしょうか、黒猫とグレーの猫もいます。

心配そうに見つめている猫たちに、

立てない白猫は助けを求めるようにニーニーと鳴いています。

明らかに異常事態。

寝ようとしていた私の脳は一発で目覚めました。

時刻は22時を回っていましたが、段ボールを抱えて家を飛び出します。

妻には夜間診療を行っている動物病院に、電話するよう指示して。

直ちに捕獲。段ボールに入れて、

そのまま動物病院へと向かいます。

そして、入院。

結局のところ、様々な検査をしても原因はわからず。

ご飯を食べてくれることが救いでした。

手足に力が入らず、座ることも出来ない猫ちゃんを、

私たち夫婦は「しらたき」と名付けました。

退院後、看病の日々が続きます。

立てない、座れない、なので当然、食事も排泄も自力では不可能です。

シリンジを使ってご飯を食べさせようとしますが、

慣れない私たちの手つきでは上手に食べてくれません。

体力もなく、シャワーで体を洗ってあげることもできない「しらたき」は、

白い毛が捻じれて毛玉になって、所々毛も抜けて剥げてしまっています。

それでも何とかきれいに拭いてあげて、

ご飯も何とか頑張って食べてもらって。

それでもどんどん体重は減っていきます。

一週間後には、2キロを割ってしまいました。

病院の先生には、おそらくもってあと1週間かもと。

それでもあきらめず、お薬をもらって介護を続けたところ、

しらたきは強かった。何とか持ちこたえました。

1カ月経つ今、ご飯もちゃんと食べて、

自力で排泄して、

寝返りをうてるまでに回復しました。

私たちの新しい家族、猫のしーちゃんです。

まだ満足に動くことはできません。

ただ私たちにシャーっと威嚇できるくらいには元気になりました。

女の子です。繊細で敏感です。

気は強い方だと思います。

頬ずりしようとして顔を近づけると、普通に嫌がります。猫パンチを出せるようになりました。

心配していたのは、先住猫のお萩のこと。

相性はどうかなと。お互いストレスになるのではないかと。

激しく喧嘩してしまったり、

ストレスで体調を崩してしまったり、

大いにあり得ると思っていました。

しかし結局のところ、意外な形でその心配はありませんでした。

というのも、互いに完全に無視。

近くに寄っても見もしません。

何なら近くに寄ることもしません。

互いに、いないものとして扱っている感じ。

全くもって我関せず、という態度なのです。

猫同士って奥深いですね。そういう関係もあるのだなと。

それはそれでまぁいいかということで、今は大まかに部屋を分けて生活しています。

しーちゃん、このまま動けるようになるといいなぁ。

私もしらたきも、強制給餌には慣れてきました。

そしてこの先、自力でご飯を食べることが次の目標です。

生命の粘り強さに感動した初夏。

今回のコラムはただただ猫好きの皆さまに向けた、

近況報告でした。



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※コラムの内容は著者の経験や多くの先生方から知り得た知識を基にしております。医学として高いエビデンスが保証されているわけではございませんので、あくまで一つの見解としてお役立てください。また当店は漢方相談を専門とした薬局であり、病院・診療所とは異なりますことを補足させていただきます。