漢方とアート 10 ~デザインの危機~

使うということを前提に置く「道具」は、 どのようなものであれ、 その形に必ず創作者の意図が組み込まれます。 それをデザイ...

春の刺激

今年の3月4月と、明らかに悪化したなぁ、、、という病がいくつかあります。まずは消化器症状。胃痛や胃もたれ、下痢や便秘、食欲不振や吐き気など。そして特に悪化したのが、慢性膵炎(もしくはその疑いがある方)を患われている患者さまたちでした。膵臓に負担を持つ方の消化器症状は、急激な冷え込みにより悪化する傾向があります。

養生の基本 4 ~睡眠~

今回は特に血流を維持するためにどうして睡眠が大切なのかを、お話ししていきたいと思います。睡眠の大きな目的の一つは疲労の回復です。骨格筋は疲労しやすい筋肉であり、そのため毎日の睡眠がなければ同じ状態を保つことができません。つまり睡眠は、回復という力を発動する生命活動の基礎です。

■症例:鼻炎・血管運動性鼻炎

15歳の男子が、お母さまと一緒にご来局された。中学の頃から、鼻水が止まらなくなった。とにかく体が熱くなり、急激に鼻水が出て止まらなくなるという。急迫的な病態に表れる「煩躁」。熱を捨て、まずは病態をそう捉えてみる。そして煩躁には発生機序があり、石膏剤から始まり、茯苓四逆湯で終わる流れがある。

養生の基本 3 ~食事~

筋肉活動というと、運動のことばかりを考えがちですが、同時に大切なことがあります。それが「食事」です。そもそも舌から肛門までの消化管は、すべて消化管平滑筋という筋肉で構成されています。消化管平滑筋をいかに負担なく動かすか、そして順調な動きをいかに継続させるか、これが人体の血流安定の要になります。

養生の基本 2 ~運動~

血流の維持・安定が健康の維持に不可欠なのであれば、まず大切にしなければいけないのが適度な運動です。すなわち筋肉を充分に活動させる生活を心がけること。座りっぱなし、寝っぱなしの暮らしは、容易に人体の血流を弱めます。身体の血流を促す最大の動力は「筋肉」です。人体は筋肉を動かさなければ生きていくことができません。

漢方治療の心得 34 ~名医誕生の正体~

治療には合理的で整合性の取れた考え方が必要です。ただし、得てして正しい治療は、合理性や整合性だけで作り上げることはできません。理由はない、説明もできない、しかしそうだと直感的に思える視点が、時に必要です。それが核として、時に要素として、思考の中に組み込まれた時に、本当に正しい治療が行えるという実感が、私にはあります。

養生の基本 1 ~守るべき養生~

「運動」と「食事」と「睡眠」。この三点が、まずは養生の基本中の基本です。裏技はありません。これらを疎かにすれば、他のいかなる養生も意味を成しません。しかしなぜこれらが大切なのか。今回のコラムでは、私自身が考える東洋医学の思想の中で、なぜこれらが基本になるのかを説明していきます。

漢方治療の経験談「蕁麻疹と寒冷蕁麻疹治療」を通して

蕁麻疹に対してしばしば用いられる処方は「消風散」です。ちょっとした改良が必要ですが、これはこれでちゃんと効いてくれる良い薬です。そして蕁麻疹には寒冷蕁麻疹という病もあります。冷たい刺激によって起こるこの蕁麻疹に対しては、「麻黄附子細辛湯」などがしばしば使われ、効果を発揮します。これらは蕁麻疹治療の基本だと思います。

脱力の領域

『黄帝内経』という東洋医学の聖書には、歴や天候を見て、それに則した活動を行いなさいと書いてあります。寒ければちゃんと着て、熱ければ日をよけて、太陽が出ていれば活動し、太陽が沈めば早めに寝る。当たり前のことですが、それが大切で、則ち単に当たり前のことをしていれば、人はそもそも病みにくいということです。