◆漢方治療概略:「胃痛・みぞおちの痛み」 胃は自分でコントロールすることが難しい臓器です。このコラムでは、冷えによる胃痛対策としての「人参湯(にんじんとう)」等や、暴飲暴食やストレスによる胃痛対策としての「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」等、水の停滞による胃痛対策としての「六君子湯(りっくんしとう)」等、漢方治療の概略を解説していきたいと思います。 2023年09月20日
漢方治療の経験談「気管支喘息治療」を通して 喘息治療には永い歴史があります。漢方の聖典『傷寒論(しょうかんろん)』や『金匱要略(きんきようりゃく)』において、既に喘息治療は記載されています。喘息は、漢方によって改善しやすい病だと言えます。喘息における漢方治療の要綱を述べると、漢方では「本治(ほんち)」と「標治(ひょうち)」とを分けることが基本です。 2023年09月14日
口癖 漢方治療には、残念ながら、決められた「答え」というものが用意されていません。どうしてもその都度都度で、解答の導き方を考えなければなりません。凡そのフォーマットがあることは確かですが、教科書通りには決していきません。だから漢方治療は、一つ一つ、たくさんの問題を解決し続けなければ、成功へと到達することができません。 2023年09月07日
現代に生きている私たち 神秘的というイメージ、不思議というイメージ、少なからず東洋医学にはそういう印象がある一方で、今でも残っているものに関しては、どこかで薬として認められている印象もあります。今私たちが目にしているのは、淘汰という何重ものフィルターによって、濾過されてきた薬たちです。 2023年08月29日
漢方治療の経験談「アトピー性皮膚炎治療」を通して アトピー性皮膚炎は、他の皮膚病と比べてもある程度わかりやすい臨床像を形成します。赤くガサガサとした皮膚面、時に象の皮膚のように厚く肥厚することもある。程度の強弱や範囲の違いこそあれ、一目にアトピー性皮膚炎と分かるケースも少なくありません。ただ、だからといって処方がすぐに決まるわけではありません。 2023年08月21日
台風の夏 盆中に大気が荒れることが多くなっています。今後のお盆は、台風と雨というイメージになっていくのかもしれません。そして夏に起こしやすい病もまた然り。今後は形を変えていく可能性があります。通常、夏バテや熱中症が主として危惧される季節ですが、今後はより自律神経の乱れに着目しなければならない季節になっていくような気がします。 2023年08月17日
■症例:前立腺肥大 患者さまのご紹介で、そのお父さまがご来局された。病院へ行き、前立腺肥大と診断。背景には、おそらく老化現象がある。そういう排尿障害であれば、漢方ではある病態をすぐに想起させる。腎虚。補腎薬、八味地黄丸の適応。通常であれば、この処方を使うことが自然なのかもしれない。しかし、腎虚と単なる老化とは、また違う概念である。 2023年08月10日