夏が終わる、急激に

秋分の日を過ぎた頃から、 空気が少し変わってきました。 上から蓋をされたような重い湿気が取りはらわれて、 すこしだけ清々...

「未病」の誤解

未病とは、健康な状態から病へと向かうその過渡期を示しています。そして同時に、病のベクトルが生み出されていく様子を示すものでもあります。『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』や『養生訓(ようじょうくん)』が示すように、人が病むのはその生活の不養生から。その考えこそが、未病という概念の根底に流れています。

東洋医学とエビデンス

医学にはエビデンスが必要です。しかし、どのような優秀で高度なエビデンスであっても、そこから漏れてしまう人は必ずいらっしゃいます。そういう人たちを支える医療があり、それがもし、医療の深みであるとするならば、漢方は医学に深みを与えることができます。漢方はもうすでに、「正解」が通用しない人たちに施せる医療に成り得ています。

■症例:不整脈・心房細動

59歳、男性。持病に不整脈・心房細動がある。今現在西洋薬で治療している最中である。しかし薬を飲み始めてから、めまいとふらつきが起こるようになった。薬による副作用だろうと本人は感じ、病院でもその可能性は否定できないという説明を受けた。西洋薬による副作用を、漢方薬で止めることはできないかというご相談。

漢方治療の経験談「潰瘍性大腸炎治療」を通して 2

当薬局にご来局される潰瘍性大腸炎の患者さまは、すでに病院にて西洋医学的治療を行われている、もしくは行われたことのある方々です。そして病院にて治療するも、症状のコントロールが難しい、効果が芳しくないとか、副作用が強くて治療を続けていけないとか、このままでは治らないのではないかという不安の中で、漢方の門戸を叩かれます。

2024・台風シーズン

自律神経の乱れが改善してく時、必ずといって良いほど、症状は波を打ちます。外的には気圧・気温・湿度などの外気、精神的なストレス、内的には睡眠や運動や食事、女性であれば月経の影響を受けて変化します。しかし、その乱れが終息しやすくなる、強く乱れなくなる、乱れにくくなるという変化を起こしながら、自律神経失調は治っていきます。

【漢薬小冊子】桂枝・桂皮(けいし・けいひ)

東洋医学において桂枝(桂皮)は非常に重要な生薬であり、おそらく聖医・張仲景に、最も強烈なインスピレーションを与えた薬でもあります。その主成分たるシンナムアルデヒドは、東洋医学では陽気を補う(高める)薬だと言われており、体を温め、冷えを除く、さらに血行を上方向・外方向へと向かわせる効能があると認識されています。

夏の折り返し地点

夏バテが本格的に増えてくる季節になってきました。冷たいものの飲みすぎ食べ過ぎ、夜間寝ている間の空調管理、水分でお腹いっぱいにせずちゃんとご飯を食べること、夏の養生をもう一度徹底していきましょう。熱中症予防というと、皆さん水分摂取を真っ先に挙げられますが、最も根本的な予防は水分摂取ではなく、暑い所に行かないこと、です。

お盆休みと田舎(8/11~16までお休みを頂きます)

近年、山梨に移住してくる人が増えています。都心よりも自然に近いほうが、体が元気になるという面も確かにありますが、自然に体力を奪われるということもまた、実際には起こり得ることです。頭痛や吐き気、喘息や花粉症、自律神経の不良など。自然とはそもそも過酷なものですが、それだけ、自分の体が分かりやすくなるということでもあります。

□胃痛・胃のはり・胃の重さ ~何をやっても治らない胃症状と漢方薬~

胃痛と言えば、以前は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の方が多かった印象があります。しかしピロリの除菌によってこれらはの疾患は減った反面、機能性ディスペプシアなどの比較的新しい病の認識により、今でも胃に不快感を訴える方は少なくありません。今回はなぜ漢方薬が効くのか、その理由を、私の経験からくる解釈の中で説明していきたいと思います。