漢方坂本／坂本壮一郎＠note
noteに以下の記事をアップしました
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【脱マニュアル化すること】
過敏性腸症候群（IBS）の漢方治療の基礎を、
端的にざっと説明するならば以下のようになります。
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１、桂枝加芍薬湯証
いわゆる中医学の弁証論治で言うところの脾虚肝乗。
平素よりお腹が弱く、それがためにストレスにより腹痛下痢もしくは便秘を生じやすい者。
２、大建中湯証
弁証論治で言うところの中焦虚寒・陰寒上逆で、腹が冷えて腸の活動が悪くなり、腹満や腹痛、時に冷や汗を伴う強い腹痛を起こし吐き気を伴う者。
大塚敬節は桂枝加芍薬湯と合わせて中建中湯と呼んだ。
３、四逆散証（柴胡証）
弁証論治で言うところの肝犯脾胃。
ストレスにより胃腸が犯され腹痛や下痢・便秘を生じる者。四逆散の方意（柴胡・芍薬・甘草の薬対）を内包する大柴胡湯や柴胡桂枝湯・加味逍遙散などにもこの意味合いがあり、緊張による平滑筋の緊張を緩和させる効果がある。
４、半夏瀉心湯証
脾胃不和と呼ばれる胃腸活動のバランスが崩れ、みぞおち（心下）に痞えを生じる病態に適応する。
胃もたれして時に吐き気、また腹満してお腹がゴロゴロとなって下痢し時に便がすっきり出ず肛門あたりに灼熱感を覚えるもの。
いわゆる湿熱性の排便異常が生じる者。
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大まかに言えばこの４つの見極めが基本中の基本であり、
おそらくどの解説書にもそう記載されているでしょうか。
これらは然るべき選択を行うことで確かに効果を発揮できる処方たちです。
西洋薬でなかなか効果が出ないという患者さまに使ってみたら、
効果が出たので驚いたという先生のお話もしばしば耳にします。
私の印象としては、過敏線性腸症候群は上手に治療すれば漢方治療でちゃんと効果を出すことのできる病です。
患者さまによって治しやすさ・治しにくさの病態の違いはありますが、
然るべき治療方針を定め、それに即した薬方選択および養生が実現されれば、
症状は比較的順調に緩和されていくものです。
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ただし、上記にのべた方剤選択は
ある一定の段階から意味をなさなくなります。
基本ではあるのですが、基本にしか過ぎない。
過敏性腸症候群治療をより広く、かつ深く包括しようとすると、
とてもじゃなけれどもこれらから治療を選ぶというやり方だけでは立ちいかなくなります。
それならば、IBSに使える処方をより沢山用意しようと思い、
古今東西さまざまな処方を勉強したとしてもおそらく上手くはいきません。
選択肢を広げるのではなく、
治療方針自体を見直す必要がある。
「証」を探したり「弁証論治」を行うという段階から一歩抜け出すこと。
実際に深い所で漢方治療を駆使されている先生方であれば、
皆一様に実践されている段階へと視点を進めていく必要があります。
今回のnoteはそんなお話です。
過敏性腸症候群治療でポイントにするべき考え方と、その具体的な手法。
その辺りを解説していきたいと思います。
漢方治療の実際として、一つの参考にしていただければ幸いです。
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「過敏性腸症候群」における漢方治療の実際
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■病名別解説：「過敏性腸症候群」
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