いよいよ始まりました。
ここ最近、気候がやや春めいてきたことについて。
今年はやや早いかなという気もします。
恐れていたことではあるのですが、毎年必ずこの時期がやってきます。
日中、日差しが温かくなりました。車などに乗っていると、時に暑いと感じることのある日差しです。
一方で、夜間はやはり寒い。そして朝方は、ここ甲府でも氷点下を記録する日もあります。
寒い・温かいの急激な移り変わり。
春めいてきたからこそ起こる、強力な寒暖差です。
そうなると、悪化してくる病があります。
ご存知の通り、顔の赤みや熱感を起こす病、「酒さ・ほてり」です。
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当薬局にて治療をされている患者さまは、
今年の冬、比較的安定されている方が多かったように思います。
そこへきて、最近の急激な寒暖差。
安定している方であっても、悪化させてしまう要素を十分にはらんだ寒暖差です。
そして先週、今週あたりから、
いよいよ赤みとほてりが強く出てしまう方が出始めました。
良くなっていた方であってもそうですから、
治療をはじめて間もない方や、症状が未だ安定していない方であれば、
より一層、強く感じてしまっているかも知れません。
天候というものは、人体に非常に強い影響を与えるものです。
寒い部屋から暖房の効いた温かい部屋に入ると、それだけで顔が赤くなるという方は多いと思います。
それが、日本列島を覆う巨大な力で引き起こされるのが、この春の寒暖差です。
暑い部屋であれば、その部屋を出ればすむ話ですが、
天候となると、そういうわけにもいきません。たとえ暖房などに気をつかった生活を送っていたとしても、必ず人体にそれなりの影響を与えてくるものです。
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さらに、春の寒暖差で厄介なのは、
自律神経を大きく乱してしまうことです。
人体は自律神経によって、寒いときには寒い状態に適した血流を、そして温かいときにはその状態に適した血流へと変化させています。
この変化が穏やかに起こってくれれば問題ないのですが、
春の急激な寒暖差は、この変化をギッコンバッタンと大きく波打たせてしまいます。
それによって、自律神経もギッコンバッタン、大きく乱れるきっかけを作ってしまうのです。
そのためほてりと同時に、不安やあせり、イライラなどといった精神の乱れも起こりやすくなります。
自律神経の乱れを介したほてりが生じやすいというのも、春に悪化する酒さの特徴だと思います。
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天候という巨大な力に打ち勝つためには、
前々からお伝えしている通り、食事・運動・睡眠という養生の基本を守っていただくことがとても大切になります。
耳にタコ、というくらい申し上げていることですので、今回は、ちょっと違う養生をお伝えしてみます。
入浴についてです。
当薬局でも、お風呂上がりにほてりが止まらなくなるという方が多くいらっしゃいます。
ただ、前のコラムでも書いたとおり、酒さの根本的な原因は、体の芯に巣食う「冷え(血流障害)」であることが多いのです。
そのため、体をちゃんと温めることは必要だと思います。しかしお風呂であたたまると、顔まで真っ赤になってしまうという現実があります。
そこでお勧めしたいのが、半身浴です。
温めるなら、お腹から下。とにかく足先と下半身とをちゃんと温めることです。
お風呂に浸かるときは、おへそ、もしくはみぞおちから下にする。そして、上半身は温かいシャワーなどを当てて温まるのが良いと思います。
何十分も長く入ってしまえば、当然、顔がほてってしまうと思います。自分にとってちょうど良い時間を見つけてみてください。下半身はぽかぽか、上半身は適度に温かいというお風呂の入り方を目指してみてください。
患者さまの中には、この方法でお風呂上がりのほてりがなくなったという方もいます。
全ての方がそうだとは言い切れませんが、是非一度試してみて、その結果をまたお教えいただければありがたいです。
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春めいてくる季節は、本来心地よいものです。ただ昨今の春は、いくぶん急激に過ぎます。
おそらく寒暖差は、ここから先が本番でしょう。
入浴方法の工夫が、この先の悪化予防につながれば、とてもうれしいです。
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