漢方処方解説

【漢方処方解説】半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・後編

半夏厚朴湯は、小半夏湯が持つ二方向性の原型たる薬能を崩さず、あくまで中位の方剤として編み出された基本処方です。そのため実際の臨床においては固定した薬方として考えるべきではなく、半夏・厚朴、生姜・蘇葉の薬能を調節をもって運用するべき処方だと言えるのです。

【漢方処方解説】半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)・前編

今回解説する半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、心療内科・精神科領域において最も有名な処方と言っても良いと思います。「咽が詰まって息苦しい」など、咽に生じる違和感に対してファーストチョイスで使用されている処方です。現実的な使い方としては「胃薬として使う」「咳止めとして使う」といった運用方法が挙げられます。

【漢方処方解説】五苓散(ごれいさん)

『傷寒論』という感染症による急性熱性病の治療を述べた書物の中で、「風邪をひいて熱が出て、そして汗が大量に出たあとに、もし咽が渇いて落ち着かず、寝ることが出来ない時は、水を少しづつ飲ませてみなさい。そうすれば治ります。でももし、まだ体が熱っぽいなら五苓散が必要です。」と記載されています。

【漢方処方解説】を記載するにあたって

保険適用の功績により比較的身近になった漢方処方。皆さんにとって漢方というイメージの大多数は、おそらく葛根湯などの処方名なのではないでしょうか。「この処方は基本的にはこういう処方です」という説明は他に譲るとして、ここでは「治療者からみた本当の所」という視点をもって漢方処方を解説してみたいと思います。