患者さまの「力」

2021年03月05日

漢方坂本コラム

昨日、当薬局での漢方治療を卒業された患者さまは高校生だった。

体調がよくなり、この春、大学にも受かった。

はじめ、入試までそうそう時間もないという時期のご来局だったから、

内心、間に合うかはフィフティー・フィフティーだと思っていた。

初診ではかなり辛そうな状態だった。

しかも、今に始まった症状でもなかった。

もともと昔から持っていた不調が最近になってひどくなっているという状態。

入試まで間もない時期だから、さぞかし不安な思いで勉強していたと思う。

今回の治療は、彼の聡明さに助けられたと思っている。

提示した治療の意味をちゃんと理解して、

かつ生活で気を付けるべきことをちゃんと実践してくれた。

それが良い結果をぐっと引き寄せることにつながったことは間違いなくて、

結局2か月で完治できたのは、本人がかなり努力してくれたからこそである。

あともう一つ。

素直さは「力」だと思った。

彼はとても素直だった。じゃなければ、養生という生活の変化をちゃんと行えるはずがなかった。

ここには小学生・中学生・高校生の患者さまが多くお越しになるけれども、

良くなる方も結構いて、自分の実力が上がってきたのかなと、恥ずかしながら少しだけ思っていた所が自分にはある。

でも、違うなきっと。

ここに来られる学生さんたちは、みんな素直だから。

その素直さに、私が助けられていただけなんだな。

それくらい、素直さは強い「力」だと感じました。

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