限り有る医学 自然や環境への感度が高い人ほど、漢方・東洋医学に注目されている印象がある。確かに有機的な素材は強すぎず、弱すぎない。漢方薬が注目されるのは当然のことだろう。ただ問題は、今後、求められるほどの量を供給し続けていけるのか、ということ。生薬が枯渇し、供給が間に合わなくなる。そしてそれはもう、実際に目の前で起こっている。 2024年07月03日
【漢薬小冊子】半夏(はんげ) 主として嘔吐・咳嗽・腹張・咽痛に使われる半夏ですが、これらの薬能の柱は「水」ではない。むしろ「気」であるように私は感じます。咳を止めるのも、吐き気を止めるのも、水分代謝を改善して痰飲を除いているからではなく、身体の興奮状態を緩和させることで、咳や吐き気を沈静化しているという印象があります。 2024年06月27日
【漢方処方解説】半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう) 半夏瀉心湯。葛根湯ほどではないにしても比較的良く使われます。特に胃腸の薬として有名です。「心下痞硬(しんかひこう)」と呼ばれる胃もたれに良く効きます。六君子湯のように単純に気を補う薬ではありません。また人参湯のように単純に胃腸を温める薬でもありません。この薬には熱を冷ます寒薬と、体を温める温薬とが同時に入っています。 2024年06月21日
梅雨入りと夏バテ 5月、気圧の強い波。そこから6月、降水量の多い梅雨と重く濃い低気圧の断続的到来。さらに低気圧が抜けた瞬間、一気に気温が上昇する7月後半。この流れ、まさに気象病を誘発させる最悪の条件がそろっています。まず気を付けていただきたいのが「夏バテ」です。夏バテは理由があって起こり、そしてある程度の予防が出来ることでもあります。 2024年06月17日
世代交代を想う 今、私がこの仕事を続けていられるのは、先代が作った基盤があるから。そのやり方の一部を、私は確かに変えましたが、変えなかったことも、たくさんあります。超えるのではなく、一緒に作り続けている。目的や方向性は、常に同じところを向いている。もしそういう世代交代なのであれば、両者、かならず腑に落ちるタイミングがあるはずです。 2024年06月13日
漢方治療の経験談「潰瘍性大腸炎治療」を通して 潰瘍性大腸炎。国が定める指定難病。下痢を起こす疾患の中でも、長期的な治療を必要とする厄介な病です。腹痛を伴う下痢を、一日4.5回、多いと10回以上起こし、血便を起こし貧血を伴えば、身体の脱力感・疲労感も相当のものです。指定難病の中でも患者さまの数が多く、当薬局でも今までかなりの数の患者さまからご相談を受けてきました。 2024年06月05日
台風1号からの この重い空気は確実に自律神経を乱す類のやつです。不安感や焦燥感と同時に、からだ全体を覆う疲労感や脱力感を伴ってきます。さらに息苦しさや動悸、めまいなどの自律神経症状も伴っています。そしてこの重い湿気は、腹に重く当たる傾向があります。漢方でいう所の山嵐瘴気。「湿症」と呼ばれる症状が強く起こってくる傾向があります。 2024年05月28日
【漢方処方解説】十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・後編 体力を回復して疲労を去る補剤。その有名処方の一つである十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)。そして本方と同じく補剤として有名なのが補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。十全大補湯は気虚と血虚との両方をカバーして補うことができる薬で、補中益気湯は補気剤として有名。両者の違いは補血作用の有無、ということになりそうです。 2024年05月23日
【漢方処方解説】十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・前編 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)の処方には「原型」があります。まず十全大補湯は「八陳湯(はっちんとう)」という処方を原型にしています。さらに「八陳湯」は「四君子湯(しくんしとう)」と「四物湯(しもつとう)」という薬を原型にしています。従って十全大補湯を知るためには、最初に四君子湯と四物湯とを理解する必要があります。 2024年05月21日
東洋医学の科学化 東洋医学は「正しい想像性」により作られた医学です。科学を知らないからこそ、発揮できたとてつもない発想。情報が増えた私たちだからこそ、想像し得ないアイデア。そういう「想像性」こそが漢方の核心。だから私は、もし漢方の科学化を試みるのであれば、この想像性を理解し、想像力に敬意を払う人たちにこそ、行ってほしいのです。 2024年05月15日