漢方坂本コラム

荒ぶる年末

12月に入ってから、精神面、眠り、呼吸・心肺機能、胃腸、顔のほてりやホットフラッシュ、身体の疼痛症状に至るまで。多岐に渡って体調を崩されている方々が増えていますが、毎年元旦は天高く、空が澄み渡ります。そうなれば、これらの症状も落ち着いてくる。食事や運動など、お伝えしている養生を続けていただければ大丈夫です。

そこのけそこのけお馬が通る

東洋医学は生命全体を捉えようとした医学です。聖典『黄帝内経(こうていだいけい)』では、人が病を得るのは、地球の規律に同調していないからだと説いています。自然に生かされている。そういう前提が、東洋医学にはあります。だから、人を治すにも自然を使います。すなわち生薬です。また自然を知るように促します。すなわち季節です。

■症例:頭痛・胃痛・下痢

主訴は、定期的に起こる頭痛、胃痛、腹痛と下痢。痛みに悩まされる方特有の、眉間にしわを寄せる表情が印象的だった。腸や子宮といった骨盤内臓器の活動・機能が乱れていることは明白だった。今回の治療では、痛みを止めることが絶対条件になる。如何に骨盤内の乱れを改善できるのか。治療方針としては、そこから外れることはないと感じた。

恐怖の年末・祈りの年始

年末年始、さまざまなイベントが目白押しのこの時期、だからこそ体調を崩される方が、とても多くなります。その要因は様々ですが、大きく分けると3つ。頑張り過ぎ、食事の乱れ、そして寝不足です。メリハリをもって活動し、お休みを取ること。それが体が求めている「休み」です。体調が上向きの方ほど、年末年始はぜひとも気を付けてください。

漢方処方の本音

最近、漢方薬のCMがほんと多いなと思います。「ナイシトール」は防風通聖散、「ラックル顆粒」は牛車腎気丸です。漢方薬には市販薬に向くものと、そうでないものがあります。その辺りをちゃんと見極めて市販し、さらに要点を説明すること。それが出来れば、漢方薬は効かないと、言われることはないのではないかなと思うのです。

◆漢方治療概略:「頭痛」・後編

頭痛のみならず、月経にまつわる症状(下腹部痛、腰痛など)に対して手軽に服用できる漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、抑肝散(よくかんさん)があります。また、緊張・興奮・高血圧に伴う頭痛には釣藤散(ちょうとうさん)、抑肝散(よくかんさん)が挙げられます。

◆漢方治療概略:「頭痛」・前編

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、これら2つの処方は、疲労によって起こる頭痛に使いやすい薬です。また、天気・気圧に左右される頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)や五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)が挙げられます。

ライフスタイルと漢方

ここ近年、ライフスタイルの中に「漢方」を取り入れる方が、増えてきているように感じます。お化粧品や整髪料の中にも、生薬配合というものはたくさん見受けられます。しかし、それらを単に利用することと、ライフスタイルに漢方を取り入れることとは、違うもののように、私は感じます。漢方には、もっと人の生活を豊かにする可能性がある。

霜月に想う

風邪がちらほらと流行り出しています。うがい・手洗いを含めた風邪の養生を、この時期ぜひとも徹底していきましょう。私達は、天候や外気、気圧や重力といった、巨大な虚空に包まれて生きています。そしてみんなが同じようにそれを感じ、それに支配されて生きている。私たちはみんな、地球とつながっています。

しもやけ予防と猫と毛布

しもやけを治していくためには、それ相応の治療が必要になります。例えば駆瘀血剤として有名な桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を服用したとしても、出来上がったしもやけはなかなか治りません。人は、百人いれば百通りの血流状態があります。そこで今回は、簡単にしもやけにならないための養生をお話ししておきます。