漢方処方解説

【漢方処方解説】六君子湯(りっくんしとう)・後編

六君子湯を解説した浅田宗伯の著書『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』の文章の中で注目していただきたいのは次の箇所です。「理中湯の変方」「中気を助け胃を開くの効」「千金半夏湯の類数方あれども此方の平穏にしかず」宗伯はなぜこのような言葉を使い、言い回しをしたのか、その理由を考えてみたいと思います。

【漢方処方解説】六君子湯(りっくんしとう)・前編

胃腸に効く薬、六君子湯。いわゆる胃腸の弱い人に無作為に使っても効くことの多い名方です。今回の解説では江戸後期から明治にかけて活躍した巨匠・浅田宗伯(あさだそうはく)の著書『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』を紹介します。浅田宗伯の口訣には、彼なりの六君子湯に対する「指摘」が隠されています。

【漢方処方解説】温経湯(うんけいとう)

婦人科の薬、温経湯。ただし当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、加味逍遙散などと比べれば、認知度はそれほど高くはないでしょう。「虚弱なタイプの人」とか「比較的体力が低下した人」に使うという解説をよく目にします。しかしこれでは使い方が判然としませんし、何よりも正しくありません。

【漢方処方解説】小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

花粉症治療薬と言えば、小青竜湯。春になると手放せないという方もいらっしゃると思います。鼻炎治療薬として有名な処方ではありますが、決して鼻炎の特効薬というわけではありません。風邪に使ったり気管支喘息に使ったりと、比較的使われる場の多い漢方薬です。今回はこの処方を少しばかり深堀していきたいと思います。

【漢方処方解説】銀翹散(ぎんぎょうさん)

のどの痛みに効く薬、銀翹散。のどの痛みに効くというのは確かにその通りです。ただし、咽の痛みなら何でもよいというわけではありません。銀翹散は比較的最近になって作られた処方で、中国清代に呉鞠通(ごきくつう)によって書かれた『温病条弁(うんびょうじょうべん)』によって初めて世に紹介されました。

【漢方処方解説】抑肝散・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさん・よくかんさんかちんぴはんげ)

イライラする。眠れない。そう聞けば、先ずは抑肝散。病院でも良く処方される処方であり、イライラや不眠を中心として、月経前緊張症や更年期障害、自律神経失調症やパニック障害、ときにパーキンソン病や認知症など、かなり広範囲にわたって応用されている漢方薬です。今回は抑肝散の効かせ方について、簡単に解説していきたいと思います。

【漢方処方解説】半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

半夏瀉心湯。葛根湯ほどではないにしても比較的良く使われます。特に胃腸の薬として有名です。「心下痞硬(しんかひこう)」と呼ばれる胃もたれに良く効きます。六君子湯のように単純に気を補う薬ではありません。また人参湯のように単純に胃腸を温める薬でもありません。この薬には熱を冷ます寒薬と、体を温める温薬とが同時に入っています。

【漢方処方解説】十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・後編

体力を回復して疲労を去る補剤。その有名処方の一つである十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)。そして本方と同じく補剤として有名なのが補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。十全大補湯は気虚と血虚との両方をカバーして補うことができる薬で、補中益気湯は補気剤として有名。両者の違いは補血作用の有無、ということになりそうです。

【漢方処方解説】十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・前編

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)の処方には「原型」があります。まず十全大補湯は「八陳湯(はっちんとう)」という処方を原型にしています。さらに「八陳湯」は「四君子湯(しくんしとう)」と「四物湯(しもつとう)」という薬を原型にしています。従って十全大補湯を知るためには、最初に四君子湯と四物湯とを理解する必要があります。

【漢方処方解説】大柴胡湯(だいさいことう)

昭和の名医・大塚敬節先生が最も使用した薬は大柴胡湯だったそうです。自律神経失調やホルモンバランスの乱れを始めとして、心療内科・消化器科・婦人科・呼吸器科・耳鼻科・眼科・皮膚科など、様々な領域の病に応用されていたそうです。大柴胡湯は、見極められると様々な病に応用できる薬です。今回はその運用のポイントを述べたいと思います。