漢方坂本コラム

〇漢方治療の実際 ~漢方専門の医療機関の選び方とコツ~

患者さまは人それぞれ、求めている医療が違います。特に漢方治療はその差が大きいと思います。体調管理から病の治療まで、幅広い医療を提供できるポテンシャルがあるからです。そのため大切なことは、ご自身に合った医療機関をどう選ぶのか、ということだと思います。ポイントは、「相性」と「意図」、そして「人から直接聞いた口コミ」です。

漢方治療の心得 32 ~体質の見極め~

体質というものを理解しながら治療することが、漢方では大切です。時に気・血や陰・陽と言った見立て以上に、治療効果を左右する「武器」になります。人の病態を5つに分類した森道伯の漢方一貫堂医学は、明らかに体質に根差す治療を推奨しています。また湯本求真は、基本処方の組み合わせを駆使してやはり体質治療を試みています。

三寒四温

この時期に起こりやすい体調不良としては、酒さやホットフラッシュなどの火照りが挙げられます。そして次に多いのが自律神経の乱れです。特に精神面にその乱れが顕著に現れてきます。春の火照りや気持ちの乱れ。漢方では昔からこの現象に着目していて、春は植物の芽吹く時期、故に外界の気が昇発するからそうなるという理屈で説明されています。

■症例:起立性調節障害(OD)

起立性調節障害と診断された女の子。近くの漢方薬局で補気の名方・補中益気湯をもとにした煎じ薬で一旦良くなったが、再発。その処方が間違いだとは言えないが、再発してしまう状況を鑑みると、正しいとも言えない。私が感じたのは「気」ではなく、むしろ「水」だった。水の失調。今回の病では、的確な「治水」が行えるかどうか、それが全てである。

漢方治療の経験談「陰部湿疹・陰部掻痒症治療」を通して

私の経験上、「陰部湿疹」や「陰部掻痒症」は漢方治療によって改善可能な病です。薬方選択においては、皮膚病治療の大枠を捉えておく必要があり、さらに陰部に起こるという特殊性を鑑みることが重要です。単に「十味敗毒湯」や「黄連解毒湯」、「竜胆瀉肝湯」や「加味逍遙散』などの処方のみでは効果を表しません。

睦月(むつき)の嵐

低気圧が引き金になって起こりやすい症状には、胃のもたれや胃痛、食欲の低下や吐き気のほか、頭痛や耳鳴り、動悸や息苦しさ、不眠や疲労倦怠感・体のだるさなどが挙げられます。『傷寒論』を基本とした病治の原則に加えて、さらに考察の余地がある新たな「傷寒」。近年、そういう難しい状況を今、迎えていることを実感します。

◆漢方治療概略:「疲れ・疲労倦怠感」・後編

「疲れ・疲労倦怠感」においては、一般的に「虚」に対する治療がしばしば行われます。「虚実」は東洋医学における重要概念ですが、虚実の見極めのポイントを「前編」にて解説しています。後編では、疲労を取るときに使いやすい漢方処方のうち、「十全大補湯」「補中益気湯」「小建中湯」「六君子湯」の4つの有名処方について解説していきます。

◆漢方治療概略:「疲れ・疲労倦怠感」・前編

疲労倦怠感。誰しもが感じることのある「疲れ」は、漢方治療では最も得意とする症状です。「ちょっとしたことで疲れやすい」「夕方になると体がだるくてしんどい」「寝ても疲れが取れない」「眠りが浅くて寝た気がしない」このような疲労感を感じておられる方が、日々漢方治療をお求めになってご来局されます。

花火散るが如く

誰にでも『傷寒論』は読める。しかし『傷寒論』を完全に読み解いた人は、今までの歴史上、一人もいない。なぜ少陰病に、大承気湯が書かれているのか。例えばなぜ陽明病に、麻黄湯が書かれているのか。『傷寒論』の骨格、六経病とは一体何なのか。『傷寒論』の著者、張仲景(ちょうちゅうけい)。燃え尽きる命を、多く目にしてきた聖医。

真冬のひとり言

どんなに優れた漢方家でも、最初の処方だけで改善するとは思っていません。もちろん改善するための最適解たる処方を出すのですが、名医であればあるほど、その薬が効かなかった時のことを、常に考え続けています。そして二診目の時点で、その処方を変えるのか、変えないのか。治療は道のりである、ということです。