漢方学習のススメ

漢方とアート 13 ~綺麗なこと~

綺麗ごととはその人が持つ理想です。こと漢方においては、この「綺麗ごと」を求めることが非常に大切です。綺麗ごとを求める感覚やセンスが、臨床の腕を大きく左右するということです。例えば不可解なことや、矛盾に満ちた東洋医学の中で、その理論の軸となるひらめきや発見の多くは、時に綺麗ごとを求めようとする姿勢により導き出されます。

《note》【傷寒論独話】~素読は本当に必要か~

聖典『傷寒論』。ことに東洋医学・漢方を臨床として用いるならば避けては通れない古典です。説明不要のこの聖典を私も長く長く読み込む中でなるほどという部分とまだまだ分からないという部分とが綯ない交ぜになっています。初回は素読(そどく)について。『傷寒論』をとにかく暗唱できるようになるまでただ読み込むこと、その意味について。

スイッチOTCと漢方

スイッチOTCの動きがさらに加速するという話が出ている中で、やり玉に挙がっているのが漢方薬。今まで医師が保険薬として扱ってきた漢方処方のいくつかが、保険で出せなくなると同時に、薬局で購入できるようになる。そのメリット・デメリットはどの立場から見るかによって違います。今回のコラムでは、そこについて深く考えてみたいのです。

漢方治療の心得 39 ~歴史への冒涜~

伝統を守るとは、時に今までの物を壊し、新たに開拓する行為無くしては成し遂げることができません。過去への強い固定観念と、しきたりを守ろうとする先哲たちとの勝負。それこそが、漢方の歴史の一員になるということ、そして漢方治療に精通するための道のり、その第一歩目に立つということです。

《note》咽痛だけじゃない・銀翹散の応用と使い方の妙

咽の痛み止めとして有名な銀翹散。以前に詳しく解説しています「【漢方処方解説】銀翹散(ぎんぎょうさん)」をさらに深堀りしていきたいと思います。銀翹散は咽痛とか風邪とか、そういう一時的な症状に頓服的にしか使われないイメージがありますが、そうではなく長服することで慢性炎症を緩解へと導く使い方もできます。

《note》桂枝加竜骨牡蛎湯が効く典型例と見極めのコツ

見て初めて「なるほどな」と感じるものがある。しかしそれを書き伝えることは大変難しい。ここが漢方の勉強の難しさでもあります。そこで一つの試みとして、「典型例を伝える」ということをやってみたいと思います。第一回目は私も良く使う処方「桂枝加竜骨牡蛎湯」について解説していきます。奥深い処方です。

漢方治療の心得 38 ~知識の質~

実際の臨床には、机上の学びでは決して得られない四次元の知識があり、それらを知るか知らないかで、腕に大きな違いが生まれるのだと感じています。全ての処方を頭に描いたとしても、これだと積極的に選択できない場合もあります。決め手に欠けるというケース。実際の臨床においては、それが当たり前なのです。

天才数学者・岡潔の感性

今回は、私の漢方の考え方に大きな影響を与えてくれた、岡潔(おかきよし)の言葉を少しだけ、皆さんにご紹介したいと思います。理論・感性・想い・美しさ。共感・腑に落ちる・生きた智恵、そして情緒。そういう言葉で紡がれる、端的かつ衒てらいの無い文章。これは漢方、そして東洋医学の世界において、ある種の終着地点であり、「解答」です。

五運六気

健康とは、地球環境・自然との同調により成し得るものだと考えることができます。東洋医学でいう陰陽とは、元をたどればおそらくそういうことです。自らの陰陽を自然界の陰陽に同調させるという考え方。とどのつまり、自らの小さく不安定なバランスを、より雄大で安定した存在が放つバランスに同調させなさいという教えなのです。

想像を続ける理由

漢方において、その創作者の意図を理解せずに薬を使うということは、何か知らないけどこうやって使えって書いてあるから使いました、ということ。歴史を知る人、紐解く努力をしている人とそうでない人とでは、処方の使い方、すなわち治療方法が全く違ってきます。ただし、今回、私が本当に言いたいことはここから先にあります。