漢方治療の心得 14 〜風邪は万病のもと〜 師匠が最初に教えてくれたもの、それは風邪(かぜ:感染症)治療でした。「風邪を上手に治せる人は、慢性病の治し方もうまい。しかし逆はない」。「風邪は万病のもと」だと良く言われますが、この言葉は我々漢方家への訓戒でもあるのです。風邪の治し方は万病の治療に通ずるのだと。 2020年04月08日
漢方治療の心得 13 〜上達を知る時〜 漢方の上達。何をもって腕が上がったと感じるのか?それを私なりに具体的に言うならば、「共感」の一言に付きます。自分の言っていることが伝わる、という意味ではなく、相手の言っていることが分かる、という共感です。たくさんの方々と共感すること自体が、すなわち成長になる。これは真実だと思う。 2020年03月23日
漢方治療の心得 12 〜素養と教養〜 私が初めて漢方の勉強を始めた時、まず読まされたもの。それが歴史の本でした。次世代の流行を、新たなイノベーションを作り出す人には、ある条件が必要です。歴史を知っていること。今まで行われてきた文化活動の流れを熟知していなければ、今行っていることの意味も、次の時代に必要なものも、決して見えてこないと思います。 2020年02月28日
漢方治療の心得 11 〜本の良し悪し〜 臨床家から見て良い本とは、筆者が文章の先に「患者さん」を見ている本です。処方を解説するにしても、理論を説くにしても、病態を説明するにしても、歴史を書くにしても、良い本を記す筆者は、実際に患者さんを見ているという片鱗を滲ませた文章を必ず書くものです。 2020年02月04日
漢方治療の心得 10 〜名医の表現〜 大塚敬節(おおつかけいせつ)先生は、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)中に含まれる芍薬の薬能を「重り」と言った。江戸の名医・山田正珍は、黄連・黄芩の苦味をもって「気を養う」と表現した。漢方家たち何故、このような分かりにくい表現を使うのか。感覚的に理解することこそが、理にかなっていたのである。 2020年01月31日
古典の読み方 東洋医学根幹の聖典として名高い『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物には、「死の回避」つまり不老長寿の思想が色濃く反映されています。この書を読み、この書の矛盾に気付き、より現実的な方向へ、より具体的な方向へと思想を広げた人がいる。『傷寒論(しゅうかんろん)』の作者、張仲景(ちょうちゅうけい)。 2020年01月23日
漢方治療の心得 9 〜処方に溺れる〜 臨床家は人と処方とを繋げているのではない。人の中から病態を見出し、その病態をもって処方という形を導いているのである。同じ病態であったとしても、ある人は桂枝湯(けいしとう)を用い、ある人は六君子湯(りっくんしとう)を用いる。観るべきものは人中の病態であり、処方ではない。 2020年01月16日