桂枝湯(けいしとう)への思想 1 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)の類。私が良く使う処方たちである。桂枝湯は「衆方の祖(あらゆる処方のおおもと)」と言われるくらいだから、その加減(改良したもの)となるとそれこそ沢山の処方を包括していることになる。 2021年01月24日
2種の学問 学問には2種あり、反復可能な事象を扱うものと、そうでないもの。前者は「科学」に代表され、後者は「芸術」に代表される。人はこの2つを常に内包したものである。一般化できない、其の人にしか通用しない正しさ、それを掴むために研鑽された学問が漢方であるとしたら。何となく私には辻褄が合うのです。 2020年11月21日
当たり前に引かれた線 昭和の名医・中島随証(なかじまずいしょう)先生。癌の患者さまを「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」で治癒せしめたという逸話があります。アレルギー性鼻炎や喘息の治療薬として有名な小青竜湯を癌に使った理由は「肺に水があったから」。当たり前に行われた時の理由は、いつだってシンプルです。 2020年11月11日
意地悪な先生 患者さまに合った処方をお出しすることが解答だとするならば、その解答へと至る道筋にこそ、症状を改善させるための薬能が宿っています。つまり解答を見つける能力よりもずっと、問題を見つけ、作り出す能力の方が臨床では求められています。修業時代にお会いしてきた「意地悪な」漢方の先生方は、私にそれを教えてくれました。 2020年10月28日
憧れ 例えば山本巌(やまもといわお)先生の著書『東医雑録』にある「カゼは初発(はじめ)に一服で治せ」という言葉には心底シビれた。しかし、一人だけ、一服で治すのが臨床家じゃなくて、何服で治すかを見極められるのが臨床家なんだよ」語られる先生がいらっしゃいました。脳天に衝撃を受けたのを、今でも覚えています。 2020年06月20日
細部に宿る 漢方処方は細部にこそ真実が宿っています。思えば歴代の漢方家は最終的に必ず本草書(単味生薬の解説書)に手を出す。吉益東洞の『薬徴(やくちょう)』しかり。漢方処方は諸々の構成生薬の相互関係によって薬能を発揮していることに疑いはない。しかし時にその構成さえも凌駕するほどの薬能を一味が発揮するということもまた事実。 2020年05月17日
古典の読み方 東洋医学根幹の聖典として名高い『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物には、「死の回避」つまり不老長寿の思想が色濃く反映されています。この書を読み、この書の矛盾に気付き、より現実的な方向へ、より具体的な方向へと思想を広げた人がいる。『傷寒論(しゅうかんろん)』の作者、張仲景(ちょうちゅうけい)。 2020年01月23日