漢方治療の心得 19 〜観えると観えないとの差〜 先入観。物事を正しく見るために、必要であると同時に、往々として邪魔になり得るもの。治療においては、いつだってこのバランスが問題になる。師匠が最初に教えてくれたこと。それは、先入観との折り合いを模索し続けろということ。分かると分からない、観えると観えないとの狭間にこそ、真実があるという口訣です。 2020年10月06日
漢方とアート 5 〜文化の育ち方〜 自分たちがやっていることの良さを、外に向かってアピールすることが普通なのに、日本人はそれをわざとしない。日本人の芸術や芸能といった文化の育み方には、このような面白い特徴があるという。そして漢方の書籍にも、こんな排他的文化が滲んでいると私は思っている。 2020年09月10日
漢方治療の心得 18 〜人を観る〜 症状をパズルのようにならべ、そこから処方を紐解いたとしても、何の意味もありません。思い浮かべるべきものは、人なのです。気力を失い脱力した姿態、苦悶に満ちた表情、そういうリアルな患者さまが、臨床家に愛される漢方の聖典・『傷寒論(しょうかんろん)』には生き生きと描かれています。 2020年08月06日
漢方治療の心得 17 〜美しい漢方〜 美しいか・美しくないか。この尺度は漢方を学ぶ上で重要だと教えられ続けてきて、実際に臨床を通して痛感します。患者さまを観て、症状から病態そして薬方までに一本綺麗な線を引けた時が一番よく効くということはおそらく多くの臨床家が実感していることではないかと思います。 2020年07月30日
憧れ 例えば山本巌(やまもといわお)先生の著書『東医雑録』にある「カゼは初発(はじめ)に一服で治せ」という言葉には心底シビれた。しかし、一人だけ、一服で治すのが臨床家じゃなくて、何服で治すかを見極められるのが臨床家なんだよ」語られる先生がいらっしゃいました。脳天に衝撃を受けたのを、今でも覚えています。 2020年06月20日
漢方治療の心得 16 〜古典の読み方〜 私見では、古典は必ず読むべきものです。特に『傷寒論(しょうかんろん)』や『金匱要略(きんきようりゃく)』、さらには『黄帝内経(こうていだいけい)』といった聖典は、必ず読んだ方が良い。自分自身の経験からいってそう思います。臨床上、どうしてもそう感じざるを得ないのです。 2020年06月06日
漢方とアート 4 〜理解の先〜 心から「なるほど」と思えるものは、理解ではありません。実感です。その実感を積み重ねることこそが、漢方の本当の理解につながるのだと思います。まず実感すること。理解や知識はその後でいい。自分を取り巻く全てのものから得られる確かな実感こそが、漢方の本質を理解するために必要なものだと、私は思います。 2020年05月21日
細部に宿る 漢方処方は細部にこそ真実が宿っています。思えば歴代の漢方家は最終的に必ず本草書(単味生薬の解説書)に手を出す。吉益東洞の『薬徴(やくちょう)』しかり。漢方処方は諸々の構成生薬の相互関係によって薬能を発揮していることに疑いはない。しかし時にその構成さえも凌駕するほどの薬能を一味が発揮するということもまた事実。 2020年05月17日
漢方治療の心得 15 〜優しい漢方家〜 人の話を良く聞く。指導の前に、まず共感すること。自分のやり方よりも、まず相手に合わせるやり方こそが求められるようになった。ある意味で、当然のことだと思います。一方、病を治す、症状を改善する、人のためにこそ相手の視線に立つならば、時には厳しい指導が必要な時があるのかも知れません。 2020年04月27日
【名著紹介】荒木性次先生著『新古方藥嚢(しんこほうやくのう)』 私の大好きな漢方家、「荒木性次(あらきしょうじ)」先生の「新古方藥嚢(しんこほうやくのう)」をご紹介いたします。荒木性次先生は、昭和を代表する漢方家で私と同じ薬剤師。湯本求真の弟子、その四羽ガラスの一人としても有名です。人が人生をかけると、どのような文書を書くのか。まだお読みでない方は是非。 2020年04月10日