養生の回覧板

年末のご挨拶 ~今年一年の総括と伴に~

東洋医学では2000年も前から、天候の乱れによる病の治療が考察されています。しかし私の実感としては、培われてきたその手法をもってしても、現在の気象病に対応することが難しくなってきています。それだけ天候が今までにないレベルで乱れているということ。そして同時に、昔に比べて人間が弱っているということでもあります。

毎年恒例・恐怖の年末

皮膚も、痛みも、消化器も、自律神経も、すべて年末に悪化する人が激増します。その原因の多くは、忙しさに埋没してしまう生活習慣です。食事と睡眠。守ってきた今まで通りの食養生が守れなくなることで、体調は一気に悪化します。また寝不足も大敵です。睡眠が削られると、体の疲労が蓄積するだけでなく自律神経も乱れていきます。

迷いの無くなる使い方

薬を飲まなくても良い体にしていくような治療の提案や、そうするためには何が大切で、どう選択していくべきかを教えてくれる医師や医療機関。自分の病とどう向き合えば良いのか、健康を実現させるために惑わされない芯の部分をちゃんと教えてもらえるなら、きっと自分自身の病の治療や、健康に使うお金の使い方は上手になるはずです。

【注意】寒波到来

いよいよ寒波が来ます。重い低気圧のせいで、自律神経を乱してしまっている方が急増しています。不安と焦り、気持ちがそわそわして落ち着かない、自分でもコントロールできないイライラ、今回はメンタルの不調が、かなり増えておられます。特に月経前や月経中と重なっている方、そしてもともと胃腸の弱い方ではその傾向が強く出ています。

秋に起こりやすい病と悪化しやすい症状

寒暖差が大きくなると、発生しやすい・悪化しやすい病があります。風邪、胃腸の乱れ、排尿の問題、皮膚の病、アレルギー症状です。以前のコラムでも説明した通り、どれもこの時期油断することのできない症状です。確実にご相談が増えてくる。予防も含めて是非頭に入れておいてください。

【注意】体調不良の波

東洋医学では古くから、湿気による体への影響を指摘し続けてきました。適応する方剤も多く用意されています。防己黄耆湯や五積散、桂枝加苓朮附湯や藿香正気散。これら湿病に対する処方は、挙げていけば有名処方だけでもかなりの数にのぼります。ただ、ここ近年起こっている気象病においては、これらの処方だけでは対応できません。

夏が終わる、急激に

梅雨時期のうだるような暑さが、9月を襲いました。不安感や焦り、頭痛やめまい・耳鳴り、動悸や不眠、胃腸の調子を崩して、胃もたれや吐き気、腹痛や下痢、食欲不振、さらに体の強いだるさと・倦怠感。自律神経の乱れと夏バテとが、同時に襲ってくるような不快感。秋分の日の連休、そこを越えれば涼しくなるという予報。

「未病」の誤解

未病とは、健康な状態から病へと向かうその過渡期を示しています。そして同時に、病のベクトルが生み出されていく様子を示すものでもあります。『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』や『養生訓(ようじょうくん)』が示すように、人が病むのはその生活の不養生から。その考えこそが、未病という概念の根底に流れています。

2024・台風シーズン

自律神経の乱れが改善してく時、必ずといって良いほど、症状は波を打ちます。外的には気圧・気温・湿度などの外気、精神的なストレス、内的には睡眠や運動や食事、女性であれば月経の影響を受けて変化します。しかし、その乱れが終息しやすくなる、強く乱れなくなる、乱れにくくなるという変化を起こしながら、自律神経失調は治っていきます。

夏の折り返し地点

夏バテが本格的に増えてくる季節になってきました。冷たいものの飲みすぎ食べ過ぎ、夜間寝ている間の空調管理、水分でお腹いっぱいにせずちゃんとご飯を食べること、夏の養生をもう一度徹底していきましょう。熱中症予防というと、皆さん水分摂取を真っ先に挙げられますが、最も根本的な予防は水分摂取ではなく、暑い所に行かないこと、です。