漢方のメモ書き

憧れ

例えば山本巌(やまもといわお)先生の著書『東医雑録』にある「カゼは初発(はじめ)に一服で治せ」という言葉には心底シビれた。しかし、一人だけ、一服で治すのが臨床家じゃなくて、何服で治すかを見極められるのが臨床家なんだよ」語られる先生がいらっしゃいました。脳天に衝撃を受けたのを、今でも覚えています。

細部に宿る

漢方処方は細部にこそ真実が宿っています。思えば歴代の漢方家は最終的に必ず本草書(単味生薬の解説書)に手を出す。吉益東洞の『薬徴(やくちょう)』しかり。漢方処方は諸々の構成生薬の相互関係によって薬能を発揮していることに疑いはない。しかし時にその構成さえも凌駕するほどの薬能を一味が発揮するということもまた事実。

流行と最先端

特に若い方に知っておいて欲しい、というか感じていて欲しいことなのですが、「流行」と「古典」とは別物ではありません。時代の...

師匠の勉強会

これはあくまで自分の考えです。漢方業界を広く見た時に、西洋医学に比べて圧倒的に劣っているものがあります。「教育」です。具...

古典の読み方

東洋医学根幹の聖典として名高い『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物には、「死の回避」つまり不老長寿の思想が色濃く反映されています。この書を読み、この書の矛盾に気付き、より現実的な方向へ、より具体的な方向へと思想を広げた人がいる。『傷寒論(しゅうかんろん)』の作者、張仲景(ちょうちゅうけい)。

才能

漢方のことを良く知っている。患者さまをたくさん見たことがある。色々な病を治療したことがある。多くの先生方から教えを受けた...

予告

先日の勉強会でお会いした方々は、みなさんとても熱心で、そして熱意をもって参加されている方々でした。とても遠くからも来られ...

2020.1.12 東京・代官山

漢方には熱気がある。どの業界でもそうだと思う。表層の部分ではなく、より深くよりマニアックになっていく程に、その世界観は強...

恩師

私が最初にこの業界に入ったと自覚したのは確か23歳ころ、北里研究所東洋医学総合研究所薬剤部長であられた金成俊先生から『傷寒論(りょうかんろん)』の講義を直々に受けるという貴重な経験を積ませて頂いた。先生から教えて頂いたのは理屈や理論ではなかった。それよりもっと大切なこと、『傷寒論』の美しさや読むことの楽しさだった。

師匠の勉強会

今年の4月から、東京にいる師匠の新しい勉強会に参加させてもらっている。座学に終始していた20代の頃の私に、臨床のいろはを...