漢方坂本コラム

養生の基本 1 ~守るべき養生~

「運動」と「食事」と「睡眠」。この三点が、まずは養生の基本中の基本です。裏技はありません。これらを疎かにすれば、他のいかなる養生も意味を成しません。しかしなぜこれらが大切なのか。今回のコラムでは、私自身が考える東洋医学の思想の中で、なぜこれらが基本になるのかを説明していきます。

漢方治療の経験談「蕁麻疹と寒冷蕁麻疹治療」を通して

蕁麻疹に対してしばしば用いられる処方は「消風散」です。ちょっとした改良が必要ですが、これはこれでちゃんと効いてくれる良い薬です。そして蕁麻疹には寒冷蕁麻疹という病もあります。冷たい刺激によって起こるこの蕁麻疹に対しては、「麻黄附子細辛湯」などがしばしば使われ、効果を発揮します。これらは蕁麻疹治療の基本だと思います。

脱力の領域

『黄帝内経』という東洋医学の聖書には、歴や天候を見て、それに則した活動を行いなさいと書いてあります。寒ければちゃんと着て、熱ければ日をよけて、太陽が出ていれば活動し、太陽が沈めば早めに寝る。当たり前のことですが、それが大切で、則ち単に当たり前のことをしていれば、人はそもそも病みにくいということです。

□変形性膝関節症 ~漢方薬による治療方針と現実的な効果~

大塚敬節先生は、変形性膝関節症に防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)を良く使いました。しかし防己黄耆湯は、それ単独ではあまり効き目を示しません。それもそのはずで、大塚敬節先生は防己黄耆湯を使う際、かならず改良を加えていました。桂皮や麻黄を加えたりなど、状況によって変化させながら対応することでこの方剤を使っていました。

今年の春は恐らく厳しい

急激に暖かくなる、そしてまた急激に寒くなる。この寒暖の落差、急激なアップダウン、それこそが人体の血流に負担をかけます。血流は自律神経がコントロールしていますから、それによって自律神経も乱れてきます。多いのが不眠です。また動悸など、心肺への影響。便秘や下痢のほか、不安感や焦りといったメンタル面での乱れも出てきています。

【漢薬小冊子】大黄(だいおう)

「将軍」、大黄。漢方の下剤として有名です。大黄は下剤というだけでは論じられない、奥深い薬能を備えた生薬です。便通を促すという他にも、重要な作用がたくさんあります。向精神作用や、血流を促す(駆瘀血)作用があります。したがって精神疾患や自律神経失調、さらに血流障害においても重要な生薬です。

自律神経失調症の特徴とその厄介さ

自律神経は身体の様々な活動を調節している器官です。自律神経が関与していない部分は無い、と言っても過言ではありません。したがって自律神経の乱れといっても、実に様々な症状が発生します。そして最も弱い部分に症状が出ます。そして何より苦しいのが、身体症状と同時に、精神的にも症状を悪化させるということです。

融通無碍のカラクリ

脾胃気虚を補う基本処方「四君子湯(しくんしとう)」と、湿痰という胃腸の水分代謝からくる吐き気などを止める「二陳湯(にちんとう)」。両者を合わせた構成を持つのが「六君子湯(りっくんしとう)」。効果と名称とが、非常に分かりやすくつながっています。しかし私は、最近この「六君子湯」をほとんど使わなくなりました。

◇養生の実際・冬 ~冬場の脱水?・暖房器具に注意!~

冬でも、急激に脱水を起こしてしまうケースがあります。特にお年を召した方や、起立性調節障害などを患われているお子さまなど。頭痛やめまい、だるさや浮腫み、動悸や息苦しさ、また不眠や下痢や腹痛を起こす方もいらっしゃいます。寒い冬に暖房は必須です。ただし、寝ている間も暖房をかけ続けることは避けましょう。

【漢方処方解説】大柴胡湯(だいさいことう)

昭和の名医・大塚敬節先生が最も使用した薬は大柴胡湯だったそうです。自律神経失調やホルモンバランスの乱れを始めとして、心療内科・消化器科・婦人科・呼吸器科・耳鼻科・眼科・皮膚科など、様々な領域の病に応用されていたそうです。大柴胡湯は、見極められると様々な病に応用できる薬です。今回はその運用のポイントを述べたいと思います。